前回の記事で、アポロが持ち帰った岩石には超伝導元素のイットリウムが含まれていると書いたが、実は月には他にもかなりの数の希土類元素が存在する。例えば、地殻ではかなり希少な元素であるスカンジウムは、金よりも価値があるかもしれないが、それでも贅沢品としてではなく、工業用として取引されている。 スカンジウムは地球上では希少だが、太陽や他の惑星では高濃度で見つかっている。
1869年、メンデレーエフは《元素の性質と原子量の関係》と題する論文で元素周期律を提唱し、化学元素周期表の初版で発表した。 カルシウムとチタンの中間の性質を持つ未発見の未知の元素がもう一つ存在するはずだと予言され、1871年にメンデレーエフによってジェネールが予言された。
8年後の1879年、ニルソンと彼のチームは、ブラックレアゴールド鉱山とシリコンベリリウムイットリウム鉱山で元素スカンジウムを発見し、そのジャンル(スカンジウム)を、それがある半島のラテン語名(スカンディア)にちなんで命名した。 純粋な金属スカンジウムの生産は初期には難しく、初めて抽出に成功したのは1937年のことであった。
純金属スカンジウムは通常、スカンジウムの電解塩素化によって調製される。 スカンジウムが空気に触れると、その色はわずかに淡黄色、またはピンクがかった色合いに徐々に変化する。スカンジウムは希土類元素の中で最も軽いが、軽希土類金属には分類されない。 高融点で耐食性が強いため、この元素をアルミニウム合金に添加すると、高強度で軽量なスカンジウムアルミニウム合金になる。航空、自動車のエンジン、野球のバットや自転車のフレームなどの軽スポーツ用品によく使われている。
大きな会場や映画撮影に使われる照明が「スカンジウム」元素に関係していることは興味深い。スカンジウムは、高輝度電球の製造に使用することができる。つまり、スカンジウム-ナトリウム合金を含む物質をライトチューブに流し込むと、放電後に太陽光に似た光を発するようになり、純粋なハロゲンランプよりも明るく長持ちし、ハロゲンランプの消費電力の約50%を消費することさえある。